東京高等裁判所 昭和44年(ラ)383号 決定
抹消登記一般につき仮登記が許されるか否かを考えるに、抹消登記も不動産登記法第二条第一号にいわゆる「登記」であることは明らかであるが、抹消登記の順位を仮登記をもつて保全する必要性があるのは、抹消登記の原因となる登記原因の無効をもつて善意の第三者に対抗できないとき(例えば民法第九四条)とか、あるいは登記原因の取消し、解除のごとく登記を経なければこれを第三者に対抗できないときに限られるのであり、これに反して登記原因の無効をもつて第三者に対抗できるときには抹消登記の有無、時期を問わないのであつて、かかる場合抹消登記につき仮登記をして順位を保全する必要性はなく仮登記は許されないというべきである。
(川添利 荒木 田尾)